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鳥取大学医学部 地域医療学講座
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糖尿病医療支援チームの育成

チームカンファレンス の様子
チームカンファレンス の様子
臨床心理士、看護師、薬剤師、栄養士、検査技師、歯科衛生士、医師(口腔外科・小児科・内分泌代謝内科)

 昨今の糖尿病患者数の増加は驚くべきもので、実際の診療現場でも糖尿病患者さんを診ない日はないくらいです。糖尿病は一人の患者さんを長く診ていく場合が多いのですが、最近の世界的な動向として、糖尿病診療は医師だけでなく多くのスタッフが協力しておこなうチーム医療が中心になってきています。これは糖尿病という疾患がセルフケアを中心にすえるものであり、治療のためには患者の教育啓発がきわめて重要であるためです。
 私たちは、平成15年より生活習慣病予防外来を開始する際、外来で生活指導プログラムをすすめるために看護師、栄養士、検査技師、薬剤師などに協力を依頼し、重政教授が各部門の責任者と交渉をすすめるなかで、チームの原型が作られました。当初は6人程度のこじんまりした集まりでしたが、患者についてのカンファレンスや勉強会を継続する過程で、他の多くの部署が趣旨に賛同し、参加してくれました。平成18年には大学病院で「糖尿病医療支援チーム」が正式に発足し、看護部・栄養管理部・薬剤部・検査部・リハビリテーション部、さらに、口腔外科・小児科・臨床心理も参加して、総勢40名をこす大所帯となっています。糖尿病医療支援チームが設立されてからは、定期的に月1回の症例カンファレンスを続け、時期にあわせて歓迎会や忘年会などでチーム内の親睦をはかっています。また、チーム医療をすすめている他の先進的な施設から学ぼうというねらいで、天理よろづ相談所病院や米国の教育専門機関の視察などにも出かけました。とくに天理よろづ相談所病院では、教育入院の患者さんといっしょにウォーキングしたり、糖尿病教室の様子を実際に見学させてもらい病院スタッフと交流会などもおこない、チームのメンバーにとっては、とてもよい刺激となりました。
天理よろづ相談所病院の見学 2006年
天理よろづ相談所病院の見学 2006年
Washington Med.Univ.スタッフと交流2006年
Washington Med.Univ.スタッフと交流2006年
 このような取り組みを通じて、コメデイカルとともに仕事することで、他の部署の担当者とのコミュニケーションが活発となり、いろいろな新しいアイデアも生まれてきました。この5年間でコメデイカルが日本糖尿病学会で発表した演題は14題になり、臨床心理学からは2型糖尿病患者の心理受容モデルについての立派な修士論文が完成しました。さらに、チームで培ったコメデイカルスタッフのスキルを用いて鳥取県全体の医療レベル向上のために、平成18年には、伯耆-大山圏域糖尿病療養指導士研究会を設立し、Clinical Diabetes Educator leaders’ workshopを米子市で毎年開催しています。平成20年には、鳥取県西部日野川流域生活習慣病予防ネットワークを立ち上げ、郡部の中核病院スタッフとともに糖尿病教育を勉強する機会を作ってきました。
 この5年間の歩みを振り返ってみますと、他の部署で働く医師以外のコメデイカルスタッフが、どれほどチーム医療を切望していたのかを強く感じます。最初はぎこちなかった患者との関係も、今ではいろいろな発想で教室をすすめたり新たな教育にかかわりたいという人たちが増えてきました。今後も、糖尿病医療支援チームの活動を大切にして、医師とコメデイカルがともに学びあえる場を作っていきたいと考えています。

鳥取大学医学部附属病院におけるチーム医療の歩み

H15.4月 生活習慣病予防外来
H16.4月 「生活習慣病予防とチーム医療研究会」設立
H17.1月 院内各部署の参加する糖尿病教室 開始(一内科、看護部、栄養管理部、検査部、薬剤部、臨床検査部、リハビリテーション部)
H17.6月 米国、サンデイエゴ, Scripps Clinic, Whittier Diabetes Institute 見学
H18. 1月 「糖尿病医療支援チーム」院内で正式発足
H18. 6月 天理よろづ相談所病院の見学、米国Washington University Hospitalと交流
H19. 6月 「鳥取大学附属病院 糖尿病診療ガイドライン」発行
H19. 8月 第1回Clinical Diabetes Educator leaders’ workshop in Yonago 開催
伯耆-大山圏域 糖尿病療養指導士(Clinical Diabetes Educator)研究会 設立  H19.11月 地域型ヘルスプロモーションシンポジウム in Daisen 開催
H20.6月 米国サンフランシスコ、J&J Diabetes Education Institute視察(大学看護師とともに)
H20.12月 第2回Clinical Diabetes Educator leaders’ workshop in Yonago 開催
H20.12月 鳥取県西部日野川流域 生活習慣病予防ネットワーク勉強会 設立
H21 チームに、「臨床心理学」「歯科口腔外科」「小児科」が加わる
H21.9月 第3回Clinical Diabetes Educator leaders’ workshop in Yonago
H21.10月 IDF(国際糖尿病学会議、カナダ、モントリオール)にて、Montreal Diabetes Centerのスタッフと交流

コメデイカルスタッフの学会報告・論文

第48回日本糖尿病学会年次学術集会 2005年5月
  • 大学病院における生活習慣病予防外来での取り組み
  • 糖尿病教室を通じた患者教育への取り組み
第49回日本糖尿病学会年次学術集会 2006年5月
  • 生活習慣病予防外来クリニカルパスにおける食事記録の有効性
  • 教育入院システム変更後の看護実践の変化
  • オプチペンプロ1からオプチクリックへの切り替え時における患者評価と薬剤師の関わり
第51回日本糖尿病学会年次学術集会 2008年5月
  • ITを用いた食事指導支援ツール「メタボリねっと」の開発:鳥取江府スタデイ第6報
  • ヒューマペンラグジュラへ切り替え後の使用性調査と手技評価における薬剤師の関わり
  • 大学病院での糖尿病診療標準化の試み(第2報)-医療者に対する糖尿病研修 リスクマネージメントの立場から-
第52回日本糖尿病学会年次学術集会 2009年5月
  • 看護師が病棟業務で使用する自己血糖測定機器の検討
第53回日本糖尿病学会年次学術集会 2010年5月
  • 糖尿病患者の疾病体験に関するプロセス・モデル構築の試み
  • 糖尿病教育入院時のアンケートの簡略化と看護計画に変化ステージを導入した取り組み
  • リスクマネジメントにおける糖尿病看護リンクナースの取り組み
  • 血糖測定のリスク軽減に配慮した病棟用血糖測定システム「メディセーフフィットプロ」の基礎的性能についての検討
平成21年度 鳥取大学大学院医学系研究科 保健学専攻臨床心理学分野
○修士論文「糖尿病患者の疾病体験に関するプロセス・モデル構築の試み -病の物語を通して-」