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鳥取大学医学部 地域医療学講座
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第4回 教室カンファ 2011/4/27 「鳥取-江府study」について

鳥取-江府studyの概要について

「鳥取-江府study」における江府町と大学との連携
「鳥取-江府study」における江府町と大学との連携
今回のカンファでは、谷口教授が中心となり取り組んでいる鳥取-江府スタディについて説明して頂きました。この研究は、平成16年度に厚生省が発表した高医療費指定市町村に鳥取県で初めて江府町が指定されたことが発端となっています。江府町は鳥取県西部、名峰大山の麓にひろがる山間地です。高齢者の割合が4割近くを占め、必然的に医療費は上昇すると思われますが、これだけではなく循環器疾患、とりわけ脳卒中の頻度が高いことが医療費を押し上げている一因であることがわかりました。研究前段階の調査では、75g糖負荷試験を行うと驚くことに対象者の約半数に糖負荷反応の異常(1割が糖尿病、4割が境界型)を呈していました。また、意外なことにメタボリック体型の方は他市町村と比べて少なく、男性の4%、女性の2%にみられるのみでした。このため病気の拾い上げには体型から判断するのではなく、積極的に隠れ糖尿病予備軍をみつける姿勢が必要でした。そこで、血管疾患の予防を目標に、耐糖能障害などリスクの早期発見と管理を研究の柱として進めました。図にあるように行政と連携して、ハイリスク者を抽出し多職種介入により多角的にアプローチしています。具体的には診療所の医師と協力し、動脈硬化予防外来を創設し、専門外来を行ったり、看護士によるプログラムに沿った生活指導、栄養士による食事のセルフチェックなどです。実際に行ってみると数々の問題がありました。地域柄、厳冬期には家の中に籠りがちとなり、雪かき以外の運動を行うことはまれです。高齢者には膝や腰にトラブルがあり、長めの歩行運動が困難であったりもします。平均塩分摂取量が15/日と非常に高く、農作業の合間のパン間食など食事の問題もあります。脚に負担をかけないウェルビクス運動の導入や具体的な献立を立案だけでなく、定期的に自己評価をしてもらうなどの工夫を行っています。その結果、各地域に「いきいき運動講座」の名で、運動をしようと人々が集う組織が現れ、地域住民に自立した健康意識が芽生えたことは大きな成果だと思います。今後、脳卒中の発症低下や医療費削減も重要ですが、これが一時で終わらないようこの町全体の意識改革に注目していきたいと思います。

文責 石田勝則