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第6回教室カンファ(2011/5/25) 「胃癌治療ガイドラインについて」

胃癌の死亡率推移
胃癌の死亡率推移
胃癌治療ガイドラインについて
 今年度第6回目の教室カンファでは,尾崎知博先生に胃癌(がん)治療ガイドライン(第3版)に関してお話いただきました.
 胃癌治療ガイドラインは,経験重視から科学的証拠(エビデンス)重視に転換した日本の治療ガイドラインの先駆者として重要な役割を果たしてきました.さらに日本の優れた胃癌治療成績は海外から絶賛されています.
胃癌の種類と深さ別にリンパ節に癌が存在するリスク評価が容易になり,長期成績に関しても癌研有明病院(NHKのDEEP PEOPLEという番組に出演されていました)の先生などが中心となって数多く集められているようです.また,胃からみてより遠くのリンパ節を取り除けば(郭清=かくせい)再発防止と生存に有利であるという机上のコンセンサスは根拠が乏しく,むしろ取り除いたリンパ節の数と関連を有することが科学的に証明されています.良かれと思って郭清をしすぎることは,かえって患者さんの負担になるということでしょう.更に海外中心ですが,2つの治療を無作為に振り分けて優劣を証明する研究(RCT: randomized controlled trial)が多数行われていることにも驚きました.
偏った研究結果から特定の治療を推奨することは患者さんのために避けるべきと思われますが,科学的証拠の蓄積が乏しいためにいつまでも明確な指針を提案できないのも良いことではありません.昨年初めに上梓された「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」の改訂作業をお手伝いした経験から,胃癌治療の科学的根拠が数多く蓄積されてきたことに関して興味深く拝聴しました.更に日本の「患者さんから教えていただく」取り組みを専門医が主導して真摯に行っていくことが,患者さんが上質な治療を享受するのに不可欠なのではと痛感しました.
文責:  浜田