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鳥取大学医学部 地域医療学講座
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第16回 教室カンファ 「熱中症のA to Z」 (2011/8/17)

熱中症を疑ったらどうするか?
熱中症を疑ったらどうするか?
 石田先生が熱中症の概論、対応、予防についてまとめていただきました。
 熱中症は、熱失神 (heat syncope)、熱痙攣 (heat cramps)、熱疲労 (heat exhaustion)、熱射病 (heat stroke)の総称であり、体液バランスの破綻(脱水、電解質異常)のみならず体温調節(皮膚血流増加、発汗による代償などが関連)が環境要因ならびに患者自身の要因で破綻することが引き金となり、しばしば急性の経過をとります。数日~数週間、高温(猛暑とは限らない)、湿度上昇、気流低下、日差しなどに曝露された後、環境変化(温度上昇、気密性の多い環境など)、急な運動(日頃運動不足の人に多い)、不眠などが誘因となり病状が急変することから、発症時までに伏線となりうる事象に注目して事前に備えること、そして本症に「気付く」ことが極めて重要です。
まず、屋外より屋内で熱中症になる患者さんが多い事実を知っておく必要があります。「水を飲みましょう」(×塩を摂りましょう)、「家でじっとしていること」では予防は不可能であり、点滴だけでは治療不十分なことが大いにあります。診断したら水分補給のみならず、全身状態把握と体温管理が重要であること。予防には日頃の運動習慣が一役買うことがあるようです。さらに、小児、高齢者が発症しやすいことは勿論、体液バランス破綻、自律神経障害、知覚鈍麻などを有している糖尿病、心不全、腎不全患者さんなども本症の高リスクであると考え、医療従事者は各人にあった投薬、生活指導を工夫しながら診療につとめる必要があると思われました。
 四季というのは名ばかりとなり、私たちは毎年激しい気候変化の下での生活を余儀なくされると思われますので、熱中症患者数の増加と重症化は避けられないでしょう。住民の方々のみならず、学校、職場、介護関連施設などでも本症の概要が正しく認識されていない印象があります。熱中症の可能性をいつでも念頭に置き、疑い、備え、救命するためには、私たち医療従事者が正確な情報発信に努めることが急務でしょう。

文責 浜田