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第21回 教室カンファ「COPDとは」(2011/11/16)

COPDのメカニズム
COPDのメカニズム
今回は森田先生がCOPDについて最新の情報を紹介してくれました。COPDは「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患」と定義され、タバコの有害性をより強調したものとなっています。2020年には世界での死亡順位が虚血性心疾患、脳血管障害に次いで第3位になると予想されている。国内でのCOPDによる死亡数は2010年で16000人程度。国内では現在第7位(男性)だが、今後は順位があがっていく。NICE(Nipppon COPD Epidemiological) studyによると、患者数530万人と推測されるが、病院を受診している人は20万人程度で510万人は診断治療を受けていない。基本的には気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーで1秒率が70%未満であればCOPDと診断する。とくに重要な点は、COPDが進行性の疾患であることで、禁煙や呼吸リハビリ、長時間作用型抗コリン剤をベースに治療していくことが必要。増悪を防ぐためにインフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンなどは積極的に利用すべし。COPDの急性増悪時の治療の基本は“ABC”アプローチ(antibiotics, bronchodilators, corticosteroids)。さらに、COPDは全身性疾患であり栄養障害、骨格筋障害、心血管障害、骨粗髭症などを合併することなど。このように、森田先生はCOPDという病気について多くの視点から説明してくれました。私が驚いたのは、定義の中に「タバコ煙」という言葉がはいっており、COPDの主な背景要因をタバコと規定している点です。米国の過去40年間の調査でも、6大死因の中で唯一上昇し続けているのがCOPDであるとのこと。日本では喫煙者は男性が圧倒的に多いのでCOPD患者も男性に偏っています。しかし最近では若い女性の喫煙率が上昇しており将来のCOPD予備軍が増えています。日本の今後の疾患動向を考えてみると、COPDは大きな健康課題のひとつになってくると思われます。先回、渡邉ありさ先生が「禁煙指導」の話をしてくれましたが、糖尿病や高血圧などの生活習慣病対策と並行して、「COPDを主としたタバコによる健康障害」の対策も、きわめて重要な医療課題であると感じました。(文責 谷口)