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さいたま市民医療センターを医学生と見学にいきました(2012/3/5-6)

さいたま市民医療センター(埼玉県さいたま市)
さいたま市民医療センター(埼玉県さいたま市)
 平成2435()36()2日間、当講座の教員3人と医学科の学生5人で、埼玉県の さいたま市民医療センターを見学させていただきました。
 きっかけとしては、内科診療部長の石田岳史先生が鳥取大学の講義(臨床医学特論1「へき地医療論」)に来て下さり、へき地医療には総合医が求められること、また日本が今後超高齢化社会を迎えるにあたっても総合医が必要になってくる、と話して下さったことです。
 平成21年に開院したばかりの さいたま市民医療センターの内科では、各専門科を前面に推すのではなく、総合内科を中心に「総合医マインド」を備えた各科専門医が集まって、科の垣根を超えた医療を展開していると伺いました。そこで石田先生にお願いして、総合医教育の現場を学生とともに見学させていただくこととなりました。

 朝のモーニングカンファランスでは、前日に内科入院した患者さんについて主治医がプレゼンテーションし、治療方針などについて検討します。各専門科が揃う総合内科ならではの意見が飛び交う、たいへん熱いカンファランスでした。
 プレゼンテーションの時点で、何故そう考えたのか、何故その治療を選択したのかなどを、きちんと説明しているために非常にわかりやすく、また日頃から漫然と加療するのではなくて常に考える姿勢ができていると感じました。


 総合内科外来の見学では、紹介率(90%)・逆紹介率(75%)の双方が高いことを知り、かかりつけ医との関係を良好に保つための工夫がなされていることを知りました。二次救急と入院加療に重点をおいて、通常の外来(定期受診)はなるべく紹介元にお願いすることで、初診患者さんに多くの時間をかけてじっくり話ができるというメリットもあります。



 初期研修医・後期研修医の先生からお話を伺う機会もありました。二次救急を担う病院なので救急車が多く、入院受け持ちも多くて大変ですが、指導医の先生方がしっかりバックアップしてくれるので安心して診療できるとおっしゃっていたのが印象的でした。指導医が率先して積極的な診療を行う姿を見ることで、目指す総合医像がハッキリと認識できて、かつ背後からの頼もしいバックアップがあることでストレス軽減にもなり、相乗効果で短期間に相当の実力が身につくシステムだと思いました。


 さいたま市の問題としては、人口が多く急速に高齢化が進んでいること、核家族が多いこと、病院周辺の介護福祉施設の入所者は多くが東京の方で、急な入院でも家族と連絡が取りにくく治療方針が決まりにくいことなどが挙げられます。地域に根ざした医療を目指し、患者さんや地域のニーズに応えながら、「断らない医療」「まずは自分で診る医療」を実践していることがよくわかり、とても有意義な2日間でした。

 井野院長先生、総合内科の石田先生、坪井先生をはじめ、さいたま市民医療センターのスタッフの皆様、診療でお忙しい中を2日間にわたって見学させて頂き、本当にありがとうございました。とても良い経験になりました。

文責 渡邉ありさ



■学生たちの感想
(4年生)
・カンファレンスでは、なぜこの治療を選択するのか、患者さんやその家族にとってどうする事が幸せなのかといった事を踏まえて患者さんを最終的にどのようなゴールにもっていきたいのか、という事をどの先生方も常に意識していた事もとても印象的でした。ふとした話の合間にうかがえる医師としての情熱や信念からの言葉には改めて身が引き締まる思いでした。

・石田先生の外来で印象的だったのは、開業医からの紹介された患者をまた再び開業医の元に返す(逆紹介する)ことを重視されていたことです。この姿勢に「総合医はホスピタリストである」と考える先生の信念を垣間見ることができた気がします。そこには総合医と開業医との良好な連携を持ち、地域全体で医療を支える必要があるとの思いを感じることができました。
僕も300床クラスの病院で活躍したいと思っているので今回の視察に同行させていただき、感じたすべてのことを忘れずに精進したいと思いました。

・指導医の先生はとても熱意のある方々で、病棟の回診や参加型レクチャーでは話に引き込まれました。後期研修医の方とのお話で、放任されていると感じることはなく、常に指導医の先生が気にかけてくれているというのが印象的でした。センターが開院三年目ということで、自分達の医療を創っていくという活気ある明るい雰囲気中、スタッフの皆さんが仕事をされていることも印象に残りました。
 都会でも地方でも医療を実践するうえで、患者さんの背景を知るということが重要であることを確認できたことは大きな収穫でした。その背景を知るにはうまく患者さんの話を引き出す必要があり、患者さんとの良好な関係性をつくれるよう医師の柔軟さも求められると思いました。

(2年生)
・熱く議論していた医師は相手のことを理解し、尊敬しているからあのように言い合うことができるとおっしゃっていて、素直にうらやましい関係だなと感じました。しかし、そのような議論をすることができるのは、スタッフがいい医療を提供したいと強く思っているからであると思いました。医療はただ患者さんを治すことだけでなく、社会的な背景が大きく関わっていることを実感しました。
2日間という本当に短い期間でしたが、医療に対する考え方、総合診療に関する考え方、自分のキャリアプランを考える上で非常に大きな経験になりました。

・将来の目標のひとつである総合内科医の現場を実際見るという初めての経験は、本当に有意義なものでした。
  院内における医療者方の雰囲気は病院というより、まるで部活のような活発なもので、外から見ていた私も楽しい気分になりました。しかし、同時に人、病気を診る病院であることには変わりない大変な責任を伴う場所であることも実感しました。また、先生方はどのような患者さんに対しても「無理」とは言わず、「まず診てみようか」「まずやってみようか」などわたしが小さい頃に憧れていた医師と同じでした。