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第33回教室カンファ「肺がんについて」(2012/3/21)

もっとも死亡率の高いガン:肺がんについて
もっとも死亡率の高いガン:肺がんについて
 今回は森田先生から肺がんについてのお話しでした。肺がんといえば予後の悪いがんのひとつであり、いつもいやなイメージがつきまといます。森田先生は呼吸器の専門家として、がんの中で肺がんの死亡率が最も高く、喫煙と関連がつよいこと、諸外国で禁煙対策を実施している国では肺がん発生率が低下しているとのこと。
 肺がんの診断は胸部レ線、ヘリカルCT、PET-CT、腫瘍マーカーなどあるが、なかなか早期診断は難しいとのことです。CTの発達で小さな病変が発見できるようになったが、気管支ファイバーまでして確定する必要がない場合は、CTでのフォローになるケースが増えているようです。気管支ファイバーも直視下での生検でなくエコーで浸潤度をみてから生検したほうが正診率があがるなど、新しい診断法が開発されているようです。診断のなかにはGrading(TNM分類)も含まれますが、腫瘍が限局している場合(II期)は外科的切除で予後良好ですが、III期以上でリンパ節転移、遠隔転移があれば、放射線療法やプラチナ製剤などの化学療法を選択するが予後の改善はまだまだといった印象です。ただ、イレッサ(ゲフィニチブ)に代表される分子標的治療の発達は著しく、アジア人、女性、腺癌、とくに重要なEGFR変異ありありなど、イレッサの有効な症例特徴がかなりしぼられてきています。最近ではALK融合遺伝子変異をもつ非小細胞肺がんに有効な分子標的薬クリゾチニブ(EML4-ALK融合キナーゼ阻害薬)も使えるようになります。アバスチンなど癌の血管新生抑制をねらう抗ガン剤もふくめて、化学療法の選択肢も広がりつつあります。しかし、イレッサによりいったん腫瘍が劇的に小さくなっても時間をおけば新たなmutationを獲得しイレッサ無効になってしまうとのこと。やはり、癌が一定以上発育してしまい、ある程度のボリュームに達してしまうと、遺伝子変異を含むさまざまな方法で癌は増殖しようと、もがきまくるのでしょうね。何だか感染症と抗生物質耐性のいたちごっこの話と良く似ているなと思いました。
 現時点では、禁煙を含む肺がんの予防と、簡便な早期発見の方法を開発することが急がれるのではないかと感じました。ちなみに、南部町では西伯病院を中心に、味の素(株)の開発した血中アミノ酸分析によるアミノインデックスという方法で、がんのリスク診断を開始しています。肺がんもリスク診断の対象となっており、血液少量で診断できるので肺がんハイリスク者をしぼりこむのに有効な方法です。肺がんについては、このような簡便なスクリーニング方法をどんどん開発するべきだと思います。(谷口)