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第55回日本糖尿病学会に参加して(2012/5/16-19, 横浜)

横浜みなとみらい
横浜みなとみらい
横浜みなとみらいで開催された日本糖尿病学会に参加してきました。糖尿病学会は参加者1万人以上の巨大な学会です。会長の渥美先生の学会テーマは「DREAMS come true」でした。このDREAMSは糖尿病克服という「夢」を意味していますが、日本糖尿病学会の糖尿病対策アクションプラン2010の頭文字を並べたものでもあります「1.糖尿病の早期診断・早期治療体制の構築 (Diagnosis and Care)  2.研究の推進と人材の育成 (Research to Cure) 3.エビデンスの構築と普及 (Evidence for Optimum Care) 4.国際連携 (Alliance for Diabetes) 5.糖尿病予防 (Mentoring Program for Prevention) 6.糖尿病の抑制 (Stop the DM) 」。

学会に参加して感じたことを列挙してみます。
1)今回から、専門医のレベル向上のため、専門医更新の要件として教育講演を受講することが義務付けられました。私自身も学会2日目に5単位の教育講演を受講しましたが、糖尿病に合併する網膜症、脳卒中など、該当分野の専門家から診断治療の標準ガイドラインやその根拠がわかりやすく紹介され、とても勉強になりました。専門医の質が問われている昨今ですが、この糖尿病学会の取り組みはとてもよい試みだと思います。
2)治療に関しては、インクレチン関連薬であるDPPIV阻害薬とGLP1受容体作動薬の話題でもちきりでした。このインクレチン関連薬は、腸から分泌され膵臓その他に作用するGLP1を介した全く新しい薬剤です。臨床効果も十分に期待でき、日本全国で使用例が増えつつあります。
3)糖尿病の療養指導については、看護師、薬剤師、栄養士などのコメデイカルが中心となり活発な活動が展開されています。療養指導のセッションはどこも満席状態でした。糖尿病はチーム医療で対応する疾患であり、糖尿病療養指導士の育成などを通じて、優秀なスタッフが全国で育ちつつあることを実感しました。
4)地域医療分野では千葉県東金病院の平井愛山先生が提唱している「疾病管理マップ」が目をひきました。疾病管理マップは、そのエリアの行政が中心となって住民のミニマムデータ(HbA1c,合併症の有無)を一つのデータベースに集約し、リスクに応じて層別化して、介入する対象者と介入内容を絞り込むものです。いわれてみれば当然のことですが、いままでは特定健診の情報、各医療機関の患者情報が統一して管理されることはありませんでした。この取り組みにより、透析導入のハイリスクを抽出して重点的に介入したり、眼科受診をしていない対象者に受診を勧めたりといったアプローチが可能になります。この結果、透析導入が減りそのエリアの医療費が減れば、このシステムの有効性が証明されます。私の印象では、このきわめて単純なアプローチが成功すれば、大きな成果を出せるように感じます。問題はデータベース管理や介入の人件費を行政がどこまで負担する覚悟があるかにかかっています。
学会全体を通じて、糖尿病分野は基礎・臨床両面での活発な研究活動と人材育成が成功しているという印象を受けました。この背景には1300万人をこえる糖尿病と予備群の増加という社会ニーズがあります。地域医療の分野においても、社会のニーズを明確にして、糖尿病学会のような広がりと深みがでてくる学問分野に育てなければいけないと痛感しました。
(谷口)
会場前
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ポスターセッション入口
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ポスターセッションではAudio Tourで議論に参加
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