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第12回教室カンファ「バセドウ病について」(2012/7/11)

甲状腺機能亢進症の分類
甲状腺機能亢進症の分類
今回は松澤先生からバセドウ病について紹介があった。甲状腺機能亢進症のなかでバセドウ病はもっとも頻度が高く、一般外来でも遭遇しやすい疾患である。しかし、実際は典型的な症状(手の震え、動悸、体重減少、甲状腺腫、眼球突出など)がすべて出そろっていることは多くない。さらに、上記の一つの症候からバセドウ病を思いつくことができるかどうかがカギとなる。とくに症状がマスクされやすい高齢者の場合はいっそう診断が難しく、心房細動や心不全の原因を調べていたら、じつはバセドウ病だったということもある。バセドウ病と確定するもっとも重要な検査はTSH受容体抗体である。現在では第3世代TSH受容体抗体のアッセイが一般的となり、感度・特異度ともにかなり改善されている。ただ感度は100%ではないので、放射性ヨード摂取率(またはテクネシウム)も診断に有効である。いったん診断がつけば、治療法はおおきく3つある、内科的治療、放射線治療、外科的治療である。国内では抗甲状腺薬を用いた内科治療が選択されることが多いが、薬剤の副作用などで使えない場合、放射線あるいは外科治療が考慮される。放射線は放射性ヨード(131I)を内服することで、ヨードが甲状腺に集積することを利用して内部照射によって甲状腺を破壊する。外科治療は甲状腺自体をほとんど摘出する(残置3-6g)ことでバセドウ病を鎮静化させる。米国では放射線治療が一般的なようであるが、学童や妊娠可能年齢の女性などは禁忌となっている。私自身、最初は内分泌とくに甲状腺の臨床からスタートしているので、この25年間のTSH受容体抗体をはじめとするバセドウ病の診断の進歩には隔世の感がある。ただ、バセドウ病治療についてはあまり進歩していないのも事実であり、バセドウ病の病態の本質である自己免疫反応を制御できる時代は、まだまだ先のことになると思われる。
(文責 谷口)