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鳥取大学医学部 地域医療学講座
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在宅医療推進フォーラムに参加して(2014/1/26、米子市ふれあいの里)

パネルデイスカッションにて
パネルデイスカッションにて
1月26日(日)に米子市ふれあいの里で、在宅医療推進フォーラムが開催された。雨まじりの悪天候にもかかわらず市民を含めて250名近い人が参加してくれた。私は基調講演を頼まれていたのだが、大学生活が長い私にどんな話ができるだろうかと考えあぐねた結果、江府町での体験や自分自身の物語を話そうと決めた。江府町の雪深い土地の自宅で最期を迎えた方、それを支え続けた武地医師をはじめとする江府町の福祉支援のスタッフたち、そして22年前に実家で亡くなった私の父の看取りの話。とくに自分の父が亡くなったときの思い出は、つらい記憶として忘れることができない。当時は、がん告知はしないことが多かった、そのためにだんだん強くなる不信感、徐々に体力が衰える際に何をしてあげればよいのか、医者にできることはわずかしかなく、むしろ医療技術を持たない家族の「食べれるものを見つけよう、楽しい思い出を話そう」という思いやりのほうがどれだけ父の励ましになったか、たまたま尿器が見つからずタオルで受けたときの父の悲しそうな顔、末期の水を裏の井戸からくんできたことなど、思い返せば「あれもできなかった、こうしてやればよかった」など後悔ばかりである。そのような経験を通して、在宅看取りについて、「私のような病院勤めの医者というのは何もできない、何も知らない」と思い知らされた。むしろ、家族や親戚のほうが、本当に大切なことを理解しているのだと思った。これからは、もっと在宅医療を知り学ぶことが必要である、医学生ももっと現場で学んでほしいと願っている。フォーラムでは、地域包括支援センターの人、開業医で在宅医療を続けている先生、和田町での地域作りの取り組みなど、いろいろな立場からの報告があり、知らないことや学ぶべきことが米子市にはたくさんあるのだと再認識した。また、高齢者の問題だけでなく、障害をもつ人という広い概念で地域をとらえれば、もっと多くの人の力を結集できるのではないかという指摘には、なるほどと思うところがあった。私は内科学や生活習慣病を専門にしてきた関係上、高齢者という側面しかみていなかったのだと反省させられた。おそらく、障害をもつ人という視点は、身体的、精神的に社会参加から隔絶されやすい人と定義すれば、介護を受ける高齢者、認知症、重篤な疾患を持つ人、ALSのような神経難病、発達障害など、多くの人たちが包含される。地域で暮らすさまざまな人たちと協働してよりよい社会を構築していくことの、ひとつの側面が地域包括ケアであり、在宅医療ではないかと考えれば、私自身がかなり狭い視野にこだわっていたことが理解できた。また、フォーラム後の懇親会では訪問看護ステーションのスタッフや地域包括支援センターの人たちの話をじっくりと聞くことができて、本当に良かったと思う。いろいろな人の見方や経験を、もっともっと学ばなければいけないと強く感じた一日であった。(谷口)
会場の様子
会場の様子