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平成26年度鳥取市医療費適正化を目指した生活習慣病重症化予防事業報告書

平成25年度に生活習慣病ハイリスク者として保健指導を実施した人を対象として、平成26年度も継続して保健指導を実施し、経年的な保健指導の効果および課題点を検討しました。さらにH24年度健診結果とH25年度健診結果の比較を行い、保健指導による生活習慣病改善の効果を検討しました。

H25年保健指導時と比較して、健診時の医師からの説明への認識の程度、健診結果の受け止め状況は変化が見られませんでしたが、健診後の生活改善の取り組み率、および医療機関受診率は向上していることが明らかとなりました。健診後に食生活改善に取り組んでいるのは36.5%(昨年35.0%)、運動習慣改善に取り組んでいるのは38.0%(昨年35.5%)と、前年度に比べて改善を認めました。生活改善があったのべ284人の原因分析を行ったところ、医師の指導22%と並び、保健師・看護師・栄養士の指導22%と保健師らの指導の効果が大きいことがわかりました。また行動変容ステージも実行期、維持期の合計が増加しており、経年的な保健指導の効果と考えられました。健診受診後に医療機関を受診したのは「すぐに受診が必要」と判定された96人中50人(52%)で、昨年度115人中53人(46.1%)よりも改善を認めました。

H24年度健診結果とH25年度健診結果の比較を行ったところ、体重、血圧、LDLコレステロール値、eGFRは有意に改善を認め、健診事業による生活習慣病改善効果が明らかとなりました。さらに保健指導を実施していない対照群と比べて、介入群では体重含め改善項目が多いことが示され、保健師等の介入により生活習慣病改善効果が増大されていることが明らかとなりました。改善の理由としては、1つには医師、保健師等の奨めがもたらした医療介入の効果が考えられますが、投薬者を除外した検討においても、体重、収縮期血圧、eGFRが有意に改善しており、医療介入の効果だけでなく生活改善そのものの効果が示されました。

今後の課題として、「すぐに受診が必要」と判断された人の医療機関受診率は、改善傾向あるものの依然半分程度であり、これを効果的に改善させるための方策を検討することが重要と考えます。今回、健診データがかなり高値でも医療介入がなされていないケースも散見され、このような放置例を防ぐために、診後の受療の有無を医療機関から鳥取市に通知し、介入することで放置例を抑えるシステムの整備も検討する必要があります。また、健診医は、受診勧奨該当者のうち半分は医療機関を受診しない現状を認知し、過去の健診所見が異常であれば、当日の健診所見が出ていなくとも生活改善の指導や受診勧奨をある程度行うことも考慮すべきです。今回明らかとなった「鳥取市における生活習慣病患者の心血管・脳血管疾患の発症状況」結果から、改めて早期の医療介入や生活改善の必要性が浮き彫りとなり、この結果を今後の患者指導に活かすことも1つの方策と考えます。

また、生活改善の取り組み率および医療機関受診率の単年の向上率はわずかであり、改めて保健指導を継続することの意義と必要性が示されました。(福井)

26年度鳥取大学報告書 [pdf:274KB]