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日野町ぽかぽか教室(健康講座)『加齢と認知症、それぞれの違い ~家族、知人としてどう向き合うか~』(2015/9/7)

 会場からみた風景 
 会場からみた風景 
 日野町黒坂2区住民対象の健康講座、「ぽかぽか教室(地域ぐるみの介護予防事業)」に講師として参加しました。足もとが悪い折、10名を超える住民さんにご参集いただき、ありがとうございました。また、先日の「地域体験ツアー」で会場の黒坂2区集会所を参加者の休憩所としてご提供いただきましたことを、この場をお借りして御礼申し上げます。

 認知症を主題として健康講座を行うのは初めてであり、県内に数多い専門医のように十分な情報を提供できるかどうか、講演直前まで不安でした。標題の「加齢と認知症の相違点」に関して明確に説明できないことがわかり、何を参加者にお持ち帰りいただくとよいか、いろいろと私が日々の診療で感じることを自問自答した結果、当日は認知症の定義と概要に続いて以下の内容を紹介しました。

  • 認知症は本人にとって認めたくなく、もどかしい。その葛藤によって周辺から「人が変わった」ようにみられることも多い。そこで、理論的に正しい方法で寄り添えば、周辺症状(BPSD)は抑えられ、本人の笑顔が戻る可能性がある。  周辺症状の心理、「理論的に正しい」寄り添い方に関しては、ガイドライン、ならびに、最近ベストセラーとなった「ユマニチュード入門」などを引用して紹介しました。
  • 防げる「認知症」もある(転倒に備える、薬の整理など)。
  • 若い人こそ、生活習慣病に伴う病気に注意。

  今回の参加者のご子息にあたる年代における生活習慣病罹患者は県内でも高い傾向にあると申し上げたところ、予想通り高い反響をいただきました。働き盛り世代の生活習慣病管理が重要である証拠(エビデンス)として、「65歳までに高血圧となった人に対する降圧療法は高齢者になってからの認知症予防に有用」という報告があります。詳細は9月28日に開催される日野町健康講座で紹介する予定です。

 参加者から出された意見 
 参加者から出された意見 
  一方、高齢者になってから認知症の発症と進行を防止する手段に関して、参加者が最も知りたかったと思われましたが、資料として配布することによって不安と誤解を招くのではと考え、本編では割愛して質疑の中でお話ししました。生活習慣病治療が間接的に生活機能の維持に寄与する可能性があるという報告はありますが、認知症予防のための明確な血圧などの管理基準は提唱されていません。食生活においては、特定の健康食品は無論のこと、日常の食材の中で野菜、果物以外は意見が分かれています。認知症治療薬にどの程度期待できるかも未知数です。

また、質疑の中で「認知症を悪化させる要因」に関して考え、どのような人に注意を向けるべきかに関して意見交換しました。参加者からは、地区の中で孤立すること、住み慣れた家を失うこと、家族と離れることが大きいが、別居している家族、周囲の人たちが寄り添おうとしても支えきれない現状があるという貴重な意見が多く出されました。県西部の中山間地、特に黒坂地区は2000年の地震で住み慣れた家屋を失った住民に対する心身のケアが長年の課題となっています。
また、どのようにしたら家族の認知障害に気付くことができるか、どのようにして受診までにもっていくとよいか、などに関しても質疑を行いました。 (浜田)