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柏プロジェクトの視察(千葉県柏市、  2015/11/26-27)

11/26-27で千葉県柏市を訪問した。サッカーの柏レイソルで知られる柏市は、千葉県の北西部に位置し、東京からは30分程度の首都圏近郊である。人口41万であるが、今でも人口は増加し続けている。ただ、段階の世代を中心に高齢者が集中する豊四季台団地は高齢化40%を超え、古いタイプの集合住宅でエレベーターもなく階段も狭い。高齢者が暮らし続けるために、どのような街づくり仕組みづくりが必要なのか。柏には東大のキャンパスもある関係で、東大の学際組織「高齢社会総合研究機構」が関わり、高齢者が住み続けられる街づくり「柏プロジェクト」がすすんでいる。その医療介護面のリーダーである飯島勝矢先生にお願いして、今回の視察が実現した。日野町の保健師(生田)とケアマネ(吉原)そして島根大学6年(生島)の4名で訪問した。
まず、柏地域医療連携センターで鹿野保健師から柏における地域包括ケアの活動の紹介があった。柏では、高齢者の医療介護連携のための多職種連携の組織作り、在宅医療推進の活動、住民啓発のためのボランテイア組織など、たくさんの取組みがすすんでいるが、いちばん驚いたのは、その仕掛けを行政が上から命令するのではなく現場の話合いをすすめるなかで現場のスタッフが必要としているツールや情報共有基盤を構築していることである。典型的なのは、医療介護情報の共通プラットフォームであるICTツール(ウエブページ)にだれがどんな情報を載せて、どんなセキュリテイで管理するかなど、いろいろな意見を集約しながら作り上げていったということである。飯島先生からは、老年医学会が注目しているフレイル(虚弱)の調査をおこない、どのようなストーリーでフレイルが進展するかを調べ、まず社会性の低下(孤立傾向)から、身体や精神そして口腔機能の低下などが進行してフレイルにすすんでいることが明らかとなったと。それに対して、早い段階(プレフレイル)で本人が気づいて、生活を変えていく活動などが紹介された。柏では、工学部や経済学部なども協力して、高齢者の生きがい就労もおこなっており、ちゃんと収入まで考えられたマッチングが、農業や教育や介護の方面で提案されてい
る。まさに高齢者のための総合的な街づくりがおこなわれていた。その後、在宅医療の古くからのリーダーである、平野清先生を訪ね、在宅医療のお話をうかがった。もともと、柏市は在宅医療をおこなう医師が3人しかいなかったが、若手医師たちと協力して少しづつ顔に見える関係づくりをして、今ではグループ診療体制を作り休暇もしっかりとって在宅医療を展開されているとのこと。今後の鳥取県での在宅医療展開を考えたときに、非常に示唆的なお話であった。
翌日(27日)は、東大のある本郷へ移動し高齢社会総合研究機構の本部を訪問した。工学部のなかに研究室があったが、まず東大キャンパスの広さや歴史ある建物や巨大な銀杏並木に感心した、さすがに日本でもっとも歴史ある大学の地だなと感じた。研究室には、高齢者に関するあらゆる方面(都市工学、法学、社会学、医学など)の文献が集められており、さまざまな学部が協力したプロジェクトがすすんでいる。まさに、日本の高齢化の課題を頭脳を結集して取り組んでいる様子が伝わってきた。
その後、飯島先生に随行し、老年医学の教室や東大病院内の在宅医療拠点研究室で担当する山中先生とも面談することができて良かった。柏市や都内の在宅医療医と協力して東大生への在宅医療実習をおこなっているとのこと。私たちの地域医療教育と共通する課題もあり短い時間だったがとても参考になった。それから、私は秋下教授と昼食をとり羽田へ、ほかのメンバーは飯島先生の東京医科歯科大学の特別講義を聴講するため別行動となった。今回は短い時間であったが、柏プロジェクトの概要と水面下のいろいろな苦労を現地で聞くことができ、これからの日野町や米子市での地域包括ケアを考えるうえで、たいへん刺激となる視察であったように思う。多忙ななか、スケジュールを配慮いただいた飯島先生に感謝いたします。(谷口記)
建て替えを待つ古い団地(柏市豊四季台団地)
建て替えを待つ古い団地(柏市豊四季台団地)
住宅を見学しながら
住宅を見学しながら
柏地域医療連センター傍の新しいサービス付高齢者住宅(1Fに訪問看護、在宅医療拠点、リハなどが配置)
柏地域医療連センター傍の新しいサービス付高齢者住宅(1Fに訪問看護、在宅医療拠点、リハなどが配置)
柏地域医療連携センターにて説明.jpg
柏地域医療連携センターにて説明.jpg
在宅医療推進のリーダー的存在、平野先生と(前列右端)
在宅医療推進のリーダー的存在、平野先生と(前列右端)
高齢者に関する多くの文献が充実(高齢社会総合研究機構研究室@東大工学部)
高齢者に関する多くの文献が充実(高齢社会総合研究機構研究室@東大工学部)
東大の赤門にて、by秋下先生
東大の赤門にて、by秋下先生