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平成27年度鳥取市医療費適正化を目指した生活習慣病予防事業報告書

生活習慣病予防対策事業による住民の行動変容とその効果を調査分析(浜田)

平成24年度に生活習慣病ハイリスク者とされた特定健診受診者(医療機関未受診)に対する2年前後にわたる家庭訪問による保健指導の効果を検討しました。まず、保健指導を実施した健診受診者(介入群)における血圧、血糖などの健診データ、脳卒中などの臓器合併症の頻度、要医療者の割合を、実施しなかった集団(対照群)と比較検討しました。また、保健指導を実施した集団における行動変容ステージの向上の程度と、保健師等と接触した回数、健診データの変化、行動変容との関連を検討しました。
平成24年度健診データと平成26年秋~27年秋との比較検討を行ったところ、介入群では昨年度と同様に、体重、血圧、LDLコレステロール、空腹時血糖、eGFRが有意に低下しましたが、対照群で低下したのはLDLコレステロールのみでした。保健指導の重点地区である鳥取東地区に限定しても同様の傾向がみられました。また、平成27年時点でも医療機関を受診していない健診受診者に限定して検討したところ、介入群のみLDLコレステロールと空腹時血糖に改善が認められました。一方、すぐ医療機関への受診の必要な受診者の割合は事業開始時点で介入群より対照群の方が多く、2年後は両群において同様に低下しました。
レセプトを参照して臓器合併症が明らかとなった健診受診者の割合を保健指導の有無によって比較検討した結果、介入群では7%の健診受診者が平成27年度の時点で臓器合併症が明らかとなり、対照群の11%を下回っていました。
次に、介入群において行動変容ステージの検討を行った結果、保健指導実施前は37%の健診受診者が行動期、維持期にあって生活習慣改善に取り組んでいましたが、指導後は62%と有意に向上していました。行動変容できた健診受診者の収縮期血圧は、医療機関への受診を考慮しても、行動変容できなかった群と比べて明らかに改善しました。また、保健師等と接触した回数が多いことは、行動変容ステージの向上、空腹時血糖低下と有意に関連しました。
以上の検討結果から、訪問指導などで保健師等と接触したことによる生活習慣改善は、血糖、血圧、脂質を有意に低下させ、投薬数の軽減、脳・心血管事故予防、透析の回避などによって、住民の健康維持、介護予防と医療費軽減に寄与できることが期待されます。このように、3年にわたる生活習慣病重症化予防事業を通じて、保健師、栄養士などが医師、看護師などと協働して鳥取市民の生活を支えていくことが一人一人のメリットになることが明確となりました。今後は、医療機関の皆さまには今まで以上に私たちにお声かけいただき、患者さんの健康増進のために力になる機会を数多くいただければと希望いたします。
(浜田)

27年度鳥取大学報告書 [pdf:645KB]