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鳥取大学医学部 地域医療学講座
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シンポジウム「ポリファーマシー プライマリケアおよび臨床薬理からの解決に向けた提言」-第37回臨床薬理学会総会(米子、2016/12/3)

 「薬物治療イノベーション」- 12月1日~3日、鳥取県米子市(ビッグシップ、文化センター)にて第37回日本臨床薬理学会総会が鳥取大学医学部薬物治療学分野長谷川純一教授を大会長として開催されました。本スローガンの「イノベーション」とは新しい薬を創り出すばかりでなく、薬物治療を個別化、最適化していくため、医薬品開発から、臨床試験、さらに適正使用までの全ての面での薬物治療の革新・創出を目指したものです。
今回のセミナーは、古くから比較的プライマリ・ケアが根付いている沖縄県より、琉球大学医学部臨床薬理学教授、植田真一郎先生の発案で、「ポリファーマシー」をプライマリ・ケアと臨床薬理学と協働して解決を試みるものです。
多病により多数の薬物療法を受けている患者の個別性・病い・価値観などに注目し、医師、薬剤師を含む各職種、患者本人、家族が協働して最適な薬物療法を目指す取り組みは、プライマリ・ケア連合学会など全国で行われています。本会の目的・目標は、これを薬理学、薬物動態学などの臨床薬理学的基盤、既存の基礎・臨床研究結果の総体に則って考え、ポリファーマシーの解決につながる新たな研究課題の同定につなげることを目指すものでした。
 演者としてプライマリ・ケアの現場でご活躍中の先生方と、病院ならびに調剤薬局で患者中心性に尽力されている病院・院外薬剤師の先生方にご登壇いただき、小生は座長として本セミナーのファシリテーション役を担いました。
・ 「原因不明の失神を繰り返す高齢心房細動の1例」 - 長沼美代子先生(東京女子医科大学病院臨床研究支援センター)
・ 「ポリファーマシーをさけるための工夫 ―腎機能、薬物相互作用を考慮した処方―」- 原田和博先生(笠岡第一病院内科)
・ 「プライマリ・ケアにおけるポリファーマシーへの取り組み」 - 川本龍一先生(愛媛大学医学部地域医療学講座)
・ 「ポリファーマシー(不適切な処方?)とかかりつけ薬剤師」 - 氏原浩善先生(ケイ・アイ堂薬局)
原田先生と川本先生には、本シンポジウム後、学生、研修医向けセミナー「臨床薬理とプライマリケア(総合診療)でポリファーマシーを解決しよう」でも、ご講演いただきました。
数多くの見地で議論が出来ましたので、一部をご紹介します。
(1) 全職種が共有したい患者情報は? - 検査値としては肝腎機能、患者背景・既往歴。それでも抗凝固薬、抗血小板薬などを適正に使用しているか否かなどの評価には不十分。
(2) 患者の価値観をどのように各職種が共有する? - 日々の顔の見える関係か。他にも、医師の強い信念で患者に服薬するよう誘導していないか、処方医への信頼感から長年服用してきた薬を止められないケース、などにも着目。
(3) 特に問題となりやすい薬物を挙げてみると? - 意図の不明な短時間作用型ループ利尿薬過量、血糖降下薬、予後から考えていまさら感のある生活習慣治療薬、抗凝固薬(新規含む:相互作用での作用増強)、消炎鎮痛薬、抗コリン作用のある薬物群、認知症治療薬(併用による有害事象、認知症ではないのに使用)、ビタミンD製剤(見過ごされやすい顕著な高カルシウム血症、腎機能低下で増強)、などなど
(浜田)