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鳥取大学医学部 地域医療学講座
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岐阜県揖斐川町久瀬へ菅波先生を訪ねて(2017.5/26-27)

久瀬診療所にて
久瀬診療所にて
 平成29年5月26-27日にかけて、岐阜県揖斐川町で働いている菅波先生を訪ねた。彼は鳥取大学OBで地域医療を志し、6年前から揖斐川町久瀬にある「やまびこの郷」で勤務している。揖斐川町は人口21,503人で、その多くが揖斐に暮らし、久瀬、春日、谷汲などは高齢化がすすみ、診療所を地域医療振興機構に委託して診療所を運営している。
久瀬診療所スタッフと
久瀬診療所スタッフと
やまびこの郷は、内科医2名の診療所と高齢者施設をかかえた建物である。菅波先生は所長の横田先生とともに、久瀬一帯の医療に対応している。一緒に尋ねた衛生学の尾崎先生、桑原先生、今本先生らとともに、施設や在宅医療の現場を見学させていただいた。
久瀬診療所2Fやまびこの郷
久瀬診療所2Fやまびこの郷
 久瀬に向かう道は、急峻な山々に囲まれ、その谷底を揖斐川が流れているような少し荒々しい風景だった。中国山地と比べて高度や傾斜が急で、上流の徳川ダムができるまでは、下流の大垣周辺はたびたび水害に襲われていたとのこと。菅波先生は、在宅医療やコメデイカルの育成をはじめ、地域医療の整備と学生・研修医の教育に熱心にとりくんでいた。訪問時も岐阜大学医学部の研修医が、外来患者や在宅診療に訪れ、末期患者さんとのやり取りを体験しているとのこと。
揖斐川丘苑にて鮎料理を堪能して
揖斐川丘苑にて鮎料理を堪能して
 その夜は、皇太子を迎えた有名な揖斐川丘苑に泊まり、いろりを囲んでアユの塩焼きと地酒を堪能させてもらった。岐阜は海のない県だが、木曽川、長良川、揖斐川など、美しい河川と清らかな水に恵まれている。翌日は、日本のマチュピチュといわれる、春日の茶畑を訪問した。急な山道を登ること20分、眼下に青々とした茶畑と山々の遠景が広がり、かいた汗も涼やかな風で気持ち良かった。こういう土地柄で地域医療を担う菅波先生は、まだまだ多くの課題があると語っている。行政と連携した保健活動、住民との地域づくり、医療スタッフの確保などなど。 

囲炉裏で鮎の串焼き(揖斐川丘苑)
囲炉裏で鮎の串焼き(揖斐川丘苑)
2日目に、先日亡くなられた患者さんの家庭訪問に同行させていただいた。ご焼香のあとで、残された奥さんの話をゆっくりと聞き「何か不安なことがあれば、いつでも診療所に来てください」と語る彼の姿をみながら、住民からの信頼が厚いこと、仕事にやりがいと誇りを持っていることが伝わってきた。地域全体の高齢化と独居・認知症の問題が大きくなると、在宅医療と施設介護を併用しながら、地域で老いていくことをサポートする必要がある。医師とスタッフが一丸となって、「地域で老いること、自宅で死ぬこと、ひいては幸せな人生の終わり方」をめざしていることに、つよい感銘を受けた。我々がフィールドとしている鳥取県日野郡で、医療介護スタッフは「やまびこの郷」スタッフと同じような目標や価値観を持てているだろうか。そして、日野郡の人たち自身が「いかに生きて死ぬか」ということを真剣に考えているだろうか。鳥取県西部はまだまだ途上なのではないか、そういう思いを強くした岐阜訪問であった。
天空の茶畑(日本のマチュピチュ)
天空の茶畑(日本のマチュピチュ)